年末の今年の一文字からの書き初め

年末、年始は書道が一年で一番テレビに取り上げられることが多いと思うんですが

その中でも今日は書初の由来や書初に使用する紙についてお話ししていきたいと思っています。

その前に皆さんは12月12日が漢字の日ってご存知でしたでしょうか?

僕は最近まで知らなかったんですが、日本漢字能力検定協会が1995年に制定した記念日で、由来は日付が「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)」

(いい字一字)と読む語呂合わせから定められたみたいです。当日は毎年全国から募集する「今年を表現する漢字」が、京都の清水寺で発表するのが慣例となっています。

ちなみに去年の世相を表す漢字1文字は『戦』でした。

応募者が『戦』を選んだ理由としては、ウクライナ侵略・北朝鮮の相次ぐミサイル発射などによる『戦』争を意識した年であったこと、円安・物価高・電力不足や感染症など生活の中で起きている身近な『戦』いがあったこと、サッカーW杯や北京冬季五輪での熱『戦』、野球界での記録への挑『戦』などから選ばれたみたいです。

2022年「今年の漢字」揮毫 清水寺 森 清範 貫主

上記の画像は中日スポーツのを使用させていただきました

ちなみになんですが神那堂のスタッフが選んだ一文字は(忙)しいです。

理由はコロナなどで延期や中止されていたイベントが再開されたり、海外からの観光客などが日本に旅行にきてくれるおかげで(忙)しい。忙しって漢字は、心を亡くすとかいて

いそがしいと読むのでネガティブに捉えられがちですが、でも僕個人としては忙しって大切な事だなって思うので、ここはポジティブに捉えて、何も考えずに目の前の事に集中して自分がやるべきことや、向き合っている事に無心で取り組むそんな姿勢を生み出すための一年だからと言う意味も込めて忙しって漢字が選ばれたらいいなと思いました。

いつもの事ですが、、、すみません話が大きく脱線しました。

今日の本題の『書き初め』に話を戻します。

書き初めの始まり

書き初めの始まりと言われているのが、平安時代の宮中行事(皇居において行われる年中行事)です。元旦に汲んだ水で墨をすり、その年の縁起が良いとされている方向に向かって詩歌を書く、という風習がありました。これが江戸時代以降、庶民の教育、寺子屋などの普及により水準が上がったことで、広まったみたいです。

平安時代の宮中における「吉書の奏」浮世絵

上記の画像はじゃらんnetのを使用させていただきました

なんで書き初めをするのか?

書き初めは、文字が綺麗に書けるようになることを願って行われたという説があります。それはつまり文字は人なりという言葉があるように字を綺麗に書くこというプロセスの中で自分と向き合い人間性を高めるってことじゃないかなって思います。

また、1年の目標や意気込みなどを当時の仕事始めの2日に書くことで、その1年の仕事・学業が上手くいくとも言われています。

石川県の書き初めには「石川判という書初用紙が存在する

全国的には書き初め用紙といえば八つ切判(17.4cm x 68.2cm)が主流なんですが、

石川県では石川判(21.5cm x 80cm)なる石川県限定の紙が存在します。

この石川判は紙に石川の透かしが入っていて、触り心地がパリッとしていて薄いのが

特徴です。毎年2月に書きぞめ展覧会が金沢21世紀美術館で展示もされます。

全国にも石川判のような規格の紙がある

書き初め用紙は石川県だけではなく実は各都道府県で既定のサイズがございます。

今日はわかる範囲でありますがご紹介させて頂きます。

・半切(はんせつ)判 35cm x 135cm

・三枚判       24.2cm x 100cm

・東京小判       19cm x 68cm

石川県判      21.5cm x 80cm

・埼玉判       26cm x 78cm

・和歌山判      20cm x 70cm

・八切(やつぎり)判 17.6cm x 68.3cm

・東京判       27.3cm x 101.3cm

・沖縄県判      20cm x 72cm

・千葉判       21.5cm x 83cm

・福島判       21.5cm x 72.5cm

書道の紙はどこで生産されているのか?

書道紙の全国シェア約50%を占めるのが鳥取県東部(旧因幡国)にある因州和紙です。全国でもトップクラスの生産量を誇る特産の和紙です。

中でも三椏(みつまた)を主原料とした因州画仙紙はきめが細かく、筆運びが滑らかなことから「いくら書いても筆が傷みにくい」「墨がかすれることなく長く書ける」という意味で“因州筆切れず”と言われ特にかな書作品を書かれている方に重宝されています。

他にも愛媛県は伊予柑など柑橘物の生産で有名ですが、紙製品出荷額全国一位を誇り

書道の紙としては伊予和紙などが半紙としても全国で流通しております。

伊予和紙は、豊富で良質な水に恵まれた愛媛県を産地とし、中でも特有のハケ目がある風合いの良い紙が特徴です。現在は書道和紙の他にも印刷用和紙、食品用原紙などの製造もさかんに行われています。

ちなみに皆さんは三大和紙産地をご存知でしょうか?

・福井県の「越前和紙」岐阜県「美濃和紙」高知県「土佐和紙」が三大和紙として有名です。良質な石灰や原料が豊富にとれたことが発展の理由と言われています。

日本の代表的な手漉き和紙の産地

上記の画像はyobotyのを使用させていただいきました

書道用紙って沢山あるんですが何が違うのか?

書道用紙をざっくり二つに分けると「機械漉き」「手漉き」の二種に分けることができます。機械漉きは主に大量に生産されることから値段も安く手に入るので、これから書道を始められる方や、作品を作るための練習紙として使われることが多いです。

手漉きは職人が一枚、一枚手で漉いていくので労力が沢山かかっていることから

値段が高くなるので中級者から上級者が清書作品を作られるときや、作家さんが作品作りされる時などに使用されます。

紙を手漉きしている風景

美濃手漉き和紙職人

上記の画像は長良川STORYのを使用させて頂きました

機械漉きの風景

和紙の機械漉き

上記の画像は株式会社オオウエのを使用させて頂きました

その他にも「漢字用」と「仮名用」という書かれるジャンルによっても分けることができます。

漢字用は大きな筆で墨をたっぷりつけて書くため書いたときに墨がスッと入って筆かかりがある紙が良いとされています。

逆にかな用は細かい線をすっきり見せるためにドーサ引きをして滲みを少なくしているので加工した紙などが一般的に使われることが多いです。かな用の紙は時間の経過とともにドーサ引きがされているので加工が強く墨を弾くこともありますので、店頭でご購入されるか、電話で確認されることをお勧めします!

「漢字用画仙紙」

「仮名用加工紙」

今日は今年の漢字一字から書き初めを中心にお話しさせて頂きました。

ぜひ、来年の1月2日にその年一年の抱負や目標を書いてみてはいかがでしょうか!

それではこの辺で失礼いたします。Good your Wrife

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Wrife=ライフ とは? life(生活)とwrite(書く)を掛け合わせた造語になります。

書き初めは難しくネガティブな気持ちが生まれるかもしれないけど、続けることで精神的な3rdスペースが内側に生まれ、受動的な思いは変化し普段の生活や行動がポジティブに切り替わるきっかけを作る。全人類が幸せで平和な世界になりますように Good your Wrife